塾長挨拶

自立した大人になってもらいたい。
そう考え、指導しています。

  この塾を始めてから考えていること

私は、東工大を定年退官後、主として高校の数学、物理を現役高校生の生徒と勉強してみてびっくりしました。少し大袈裟な表現になってしまうのですが、数学や物理が単に公式を覚えて、その問題を解くのに応用するだけの科目になってしまっているのです。“知識”と“真理”の区別がなくなって、“知識”として身に付けることだけを行って、“真理”を解き明かす喜びや感動を感じることが非常に少なくなっているのです。
公式を“知識”として身につける場合と“真理”として身につける場合とでは、だいぶ違うと思うのです。公式を含めた原理・原則がどのようにして成り立っているのか、どのようにしてそれが導けるのかを、よく考えて、自然界の奥深さを新鮮に感じることが、とても大切なことだと思います。
これらの基本的事柄を、よく考えて理解し、身につけて、いつでも数学や物理の世界を頭の中に広げることができると、かなり難しい問題でも、その問題が何を言っているのかを正確に理解することができるようになります。
問題の言うことに従って原理・原則を適用していくと自然に正解が得られるようになっているのが、難しいといわれている大学の入試問題だと思います。
公式を、自分で基本的な定義や原理・原則から導けるようにして、物事を原理・原則にしたがって考えるように訓練することは、大学での勉強、さらには、その先での研究、世の中に実際に出たときの仕事に生きてくると思います。
“知識”を身につけるというより、“真理”を身につけることに重きを置くことが、自分自身を成長させ自己を形成することにも重要で、受験勉強が無駄でない大切なものに変わってくると思うのです。

塾長 小田 健司(東京工業大学名誉教授)